野田市で空き家の買取を検討している売主さんへ
野田市では、「実家が空き家になってしまった」というご相談が増えています。親御さんが亡くなられたあとに相続した家、あるいは高齢の親が施設へ入居した結果、住む人がいなくなってしまった家――どちらも管理が難しく、固定資産税や草木の手入れ、近隣からの苦情など、思いがけない負担につながることがあります。
特に、遠方に住んでいる方や今後住む予定のない家の場合、「自分の実家だけど、維持するよりも早めに手放したい」「リフォームする余裕がない」というご相談も多く見られます。
こうしたケースでは、不動産会社による空き家の買取(直接買取)を利用することで、早期の現金化・管理負担の軽減が可能です。本記事では、野田市における空き家買取の仕組み・相場・注意点を、地域事情をふまえて詳しく解説します。
一般向け売却価格と、業者の買取価格の違い
空き家を売却する方法には、大きく分けて「一般の買主に売る方法(仲介売却)」と「不動産会社が直接買い取る方法(買取)」の2つがあります。どちらも不動産を手放す手段ですが、価格やスピード、手続きの流れに大きな違いがあります。
特に、野田市のように戸建や空き家が多いエリアでは、「売れにくいから買取って欲しい」「早く現金化したい」など、目的によって選ぶべき方法が変わってきます。
一般向けの売買価格 vs 不動産屋の買取価格 vs 投資家の価格
一般向けの売買(仲介)価格は、最も高く売れる可能性があります。購入者は「これから住む人」なので、物件の魅力を伝えられれば希望価格に近い売却も可能です。ただし、内見や広告掲載、価格交渉など時間がかかり、売れるまで数か月を要することもあります。
一方で、不動産会社による野田市の空き家の買取価格は、一般市場の相場の3~7割ぐらいが一般的です。築年数が多い物件のほうが低価格にないやすいです。なぜなら、不動産会社は買取後にリフォーム・再販を行うため、利益とリスク分を差し引いて価格を提示するからです。ただし不動産会社の仲介手数料はかかりません。
また、野田市では個人投資家(いわゆる「ボロ戸建投資家」)による買取も増えています。この場合はリフォームを前提として買い取るため、状態が悪い物件でも買取対象になりますが、価格は低め(相場の3~5割)であることが多いです。
不動産屋の「ノールック買取」
近年では、現地確認をせずに、写真や登記情報・地図データのみで即時購入申込を行う「ノールック買取」も増えているな、という印象です。当然価格は低くなりますので300万円で売り出して50万円で購入希望が来るような事例もあります。
スピード査定・現金化を重視したい方には便利な手段ですが、「より高く売りたい」「急いでない」という方は、通常の査定を受けたうえで判断するのがおすすめです。
野田市の空き家の買取相場|様々なパターンで例示

空き家の買取価格は、「土地の価値」と「建物の価値」を合計したものが基本となります。ただし、建物の築年数や状態によっては評価がほとんど付かないケースも多く、実際の買取価格は土地相場を基準に判断されることが一般的です。
野田市の場合、エリアによって相場が大きく異なります。駅周辺の住宅地では比較的高値で取引されていますが、市街化調整区域や農地を含むエリアの空き家は需要が少ないため相場は低くなりがちです。
土地の値段+空き家の値段が売却価格になっていく
不動産の価格は「土地+建物」で構成されます。空き家の場合、建物の状態や築年数によって、建物部分の評価が大きく変わります。
たとえば、野田市内の住宅地で土地が60,000円/㎡前後のエリアにある100㎡の土地であれば、土地だけで約600万円前後が目安になります。建物がしっかりしていてまだ利用できる状態であれば、そこに+建物代を上乗せできます。
しかし、屋根や基礎の劣化が進み、解体が前提となる場合には、逆に解体費用(150~200万円前後)を差し引かれた値段で売るか、建物を解体してから更地のみのほうが売れやすい場合もあります。
土地が高いエリアなら高く売れる
野田市の中でも、土地相場が高いエリアは「駅チカ」「住宅地」「新しい街並み」の3つの条件が揃う場所です。たとえば、山崎(約65,000円/㎡)清水公園(約80,000円/㎡)やみずき(約70,000円/㎡)などのエリアでは、建物が古くても土地としての需要が高いため、買取価格も上がります。
逆に、農地が多く建築制限が厳しい市街化調整区域(例:木間ケ瀬、木野崎、関宿など)では、土地価格が1㎡あたり1~2万円台にとどまることもあります。
築40年以上の建物は価値がゼロに近くなっていく
木造住宅の建物価値は築20年を過ぎると大きく減少し、築40年を超えると査定上の価値はほとんどゼロに近くなっていきます。
ただし、しっかりと管理されていて屋根や基礎が健全な場合や、再利用・リフォーム向けの投資家需要がある場合は、解体を前提としない査定になるケースもあります。古い建物でも、「残置物撤去のみで使える」状態であれば、建物価格100~300万円ぐらいに評価される場合もあります。
野田市で空き家というと築30年以上が多い実感
野田市で「空き家」としてご相談を受ける物件の多くは、昭和後期から平成初期に建てられた築30~40年ほどの住宅です。昭和の分譲地として建てられた木造一戸建てが多く、いまでは親世代が住んでいた家を相続して空き家になっている、というケースがほとんどです。
これらの住宅は、構造的にはまだしっかりしているものもありますが、屋根や外壁、設備などが当時のままということも多く、住み替えや賃貸化には大規模なリフォームが必要になることが少なくありません。
築30~40年の空き家の相場
築30~40年の木造住宅は、建物価値がほとんど残っておらず、買取査定では「解体前提の建物付き『土地』」として評価されます。土地のエリアにもよりますが、以下が一般的な目安です。
山崎の150㎡の土地に築40年の建物とすると、土地で975万円+建物100~300万として1000万円ぐらいで取引されるかなと思います。そこから買取になるので、500~700万円での買取価格を想定できるでしょう。
もし建物が再利用できない状態なら、200万円解体費用をかけて、更地の土地のみで1000万円で売りに出す。(つまり解体費を引けば手元に800万円が残る)感じですね。
築20~30年の空き家の相場
築20~30年の住宅になると、まだ建物の構造がしっかりしており、再利用や賃貸化の余地があります。そのため、リフォームを前提とした買取や、実需(居住目的)の買主による購入も期待できます。
査定の方法にもよりますが、(※事例として)
床面積100㎡の建物を想定すると、×18万円で1800万円が新築時の値段となります。
築40年で価値がゼロになると想定すると、築20年の段階での建物の価値は半分=900万円となります。買取になると450万円と提示されるかもしれません。
この築年数帯は、内外装の手入れ状況によって査定が大きく変わる時期です。 屋根や給湯設備などの修繕履歴がある場合は高評価につながり、逆に未修繕の場合はリフォーム費用分が差し引かれる傾向があります。
建物の状態による価格への反映
空き家の査定では、「どの程度そのまま使えるか」が価格に大きく影響します。 買取業者や投資家は、購入後に必要となるリフォーム費用を差し引いて買取価格を決めるため、建物の状態が良ければその分だけ高値がつきやすくなります。
逆に、長期間放置されて雨漏り・腐食が進行している建物や、撤去・伐採に費用がかかる物件は、土地の評価から大幅に減額される傾向にあります。
残置物がたくさんある、樹木が生えている
家の中に家具・家電・生活用品などの残置物が多いと、撤去に50万円ほどの費用がかかります。また、庭木が伸び放題で伐採や抜根が必要な場合も、見た目の印象が悪くなるだけでなく、整地費用として数十万円~百万円がマイナス評価になります。
買取業者によっては「残置物ありのままでOK」「伐採もこちらで対応可能」というケースもありますので、査定の際に確認しておくと安心です。
屋根・壁・柱・床の不具合、シロアリ
建物の主要構造部分(屋根・外壁・基礎・柱・床など)に損傷がある場合、修繕費用が高額になります。特に雨漏りや傾きやシロアリ被害は劣化が進みやすく、修繕費用分がマイナス評価に。。傾きや雨漏りがひどい場合はマイナス200万まで覚悟しないといけません。
ただし、劣化箇所が部分的であれば、全体を壊さずに再利用できる可能性もあります。とはいえ現地での目視確認だけでは判断できないため、「売主の責任なし」の「現況渡し」契約にして売ることが大事です。
軽微な修繕で使える場合
壁紙やフローリングの張り替え、水回りの交換など、百万円以内の修繕で使用可能な場合は、建物として一定の価値が評価されます。 このような物件は「リフォーム前提の中古住宅」として再販が可能なため、買取価格が土地値+αで提示されることもあります。
特に野田市では、駅周辺や分譲地内の立地であれば、「古いけど住める家」として投資家や若年層からの需要もあります。
こまめに修繕して建物を維持してきた場合
定期的に屋根や外壁を塗り替えていたり、給湯器・水回りを交換している場合は、築年数が古くても高く評価されます。 特に、30年以上の空き家であっても「劣化が進んでいない」状態であれば、評価が付くでしょう。
査定時には、過去のリフォーム履歴や修繕記録、施工会社の領収書などを提示すると、査定担当者に状態の良さを伝えやすくなります。
市街化調整区域の空き家の相場
野田市の空き家で特に多いのが、市街化調整区域内に建つ建物です。 市街化調整区域とは、都市の無秩序な拡大を防ぐために建築が原則として制限されているエリアのこと。 そのため、新たに家を建てることが難しく、建物を再利用する方向での限定された需要になる傾向があります。
調整区域内の空き家の買取相場としては次のようなイメージです。
例えば木間ケ瀬や関宿の200㎡の土地に築40年の建物とすると、土地で200万円~400万円+建物100~300万円とみて300~700万円で取引されることが多いように思います。買取相場となると半分の150万~350万円いけばいい感じです。
建物が残っていても「再利用が難しい」と判断される場合は、 建物価値がゼロ、または残置物、解体費を差し引いた金額になることがほとんどです。
解体して土地で売ると赤字になる場合がありますが、これ以上維持できないなら、それもやむを得ないと思います。
再建築不可の空き家の相場
市街化区域内でも、前面道路が建築基準法上の「道路」に2m以上接していない土地は、 原則として再建築ができません。これを「再建築不可物件」といいます。
再建築不可の空き家は、過去なんらかの理由で建てられた物ですが、現在の法律では建てられない土地ということになります。
建物を壊しても新築できないため、 自分で住む目的の買主はつきにくく、主に投資家や業者が買取対象となります。 相場としては、再建築可能な土地の50~70%程度に下がるのが一般的です。
野田市内では、昔ながらの細い路地や私道の奥にある住宅に多く見られ、 立地条件にもよりますが、300~500万円台程度の買取価格になるケースが多いです。
ただし、隣地との協議によって通路拡幅が可能な場合、 再建築が可能になるケースもあるため、事前に地元不動産会社へ相談するとよいでしょう。
旗竿地の空き家の相場
「旗竿地」とは、道路に面した細い通路の奥に敷地がある形状の土地のことです。 通路部分が竿(棒)、奥の宅地部分が旗に見えることからその名がついています。
旗竿地はプライバシー性が高い反面、日当たり・通風・駐車スペース・車の出入りの不便さなどが理由で、 一般的な整形地よりも人気が低く、相場も1~2割程度下がる傾向にあります。
野田市内の旗竿地の空き家の場合、土地値が60,000円/㎡のエリアでも実勢は45,000~50,000円/㎡程度まで下がることがあります。 また、道路に接している幅が2m未満だと再建築不可になるため、 建て替えを前提とした売却は注意が必要です。
空き家のままか、解体して更地にして売る?判断基準

空き家を売る際に多くの方が迷うのが、「古家付きのまま売るか」「解体して更地にして売るか」という点です。 どちらが良いかは、土地の所在地が市街化区域か、市街化調整区域かによって判断が分かれます。
野田市はこの「調整区域」が広く、安易に解体してしまうと再建築ができなくなるケースもあります。 そのため、エリアの区分を確認したうえで判断することが大切です。
市街化区域・再建築可の場合:解体して更地にしてもよい
市街化区域内で、かつ建築基準法上の道路に2m以上接している土地であれば、 概ね建て替えが可能なため、古家を解体して更地にしても問題ありません。
更地にしておくことで、買主が自由に新築計画を立てやすくなり、 見た目の印象も良くなるため、成約スピードが速くなる傾向にあります。
ただし、解体費用は建物の構造や大きさによって変わります。 木造2階建てならおおよそ150~200万円前後が目安で、 この費用を上乗せしても早期に売却できるかどうか、不動産会社とシミュレーションしておくと安心です。
また、解体後は土地の固定資産税が上がる(住宅用地の特例が外れる)ため、 売却期間が長引く場合はその点も考慮する必要があります。
市街化調整区域の場合:解体しないで空き家のまま売る
一方で、市街化調整区域内の空き家の場合は、解体しないことを強くおすすめします。
調整区域内の建物は、「既存宅地(以前から家が建っていた土地)」として認められているからこそ、建て替えが可能になっているケースが多いです。 しかし、一度建物を解体してしまうと「空き地」扱いとなり、新たに建築許可が下りなくなるリスクがあります。
実際に野田市では、建物を解体した途端に再建築不可となり、 家庭菜園や資材置場としてしか使えなくなってしまったケースも少なくありません。
そのため、野田市の調整区域内の空き家は、古家付きのまま売却するのが基本です。 買主が後から用途変更や建て替えを希望する場合は、行政への相談や許可申請が必要になります。
有限会社ミューファは、野田市を拠点に不動産事業を行っております。
地元に根ざした活動を大切にしており、おかげさまで多くのお客様からご紹介を通じてご依頼をいただいております。
買取も行っていますが、まずは査定をご依頼ください。
👉野田市で不動産売却のミューファ
