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不動産会社の対応が悪い?連絡がない・進まないときの原因と対処法

不動産会社の「対応が悪い」と感じるケース

不動産を売却しようと動き出したのに、担当者の対応に不信感を覚える・・そんな声は少なくないと思います。

しかし「対応が悪い」といっても、その中身は人によってさまざまですので、ここでは、売主からよく聞かれる代表的なケースを整理してみましょう。

私が以前別の不動産会社に勤めていた時の応対がまさにこのケースで、事務をしていたので何度も平謝りしてました。。

① 連絡が遅い・来ない

もっとも多い不満が「連絡が遅い」「音信不通になる」というものです。

査定を依頼したあと、数日たっても結果が届かない。あるいは売却を任せたあと、進捗報告がほとんどない。

こうした状況が続くと「本当に販売活動をしているのか?」と疑問を感じるのも無理はありません。

担当者1人あたりが多数の案件を抱えていると、優先順位の低い物件は後回しにされることがあります。

② 態度が横柄・説明不足

🙅🏻・初回の面談で「売りたいならこの価格です」と一方的に話を進める。

🙅🏻・売主の事情を聞かず、契約を急かす。

🙅🏻・家をこの上なく褒めて、からの、安い査定額を提示。

こうした態度も「対応が悪い」と感じる典型例です。

不動産売却は高額な取引ですから、売主が理解・納得できるよう丁寧に説明するのが基本だと考えます。

その姿勢が欠けている会社は、信頼関係を築くのが難しいでしょう。

③ 査定だけして音沙汰がない

これ結構あります。一括査定サイトなどで複数社に依頼した場合に多いのが、「現地調査をしただけで査定が出てこない、フォローがない」ケースです。

見込みが薄いと判断された物件や、収益性が低い土地は、査定後に放置されてしまうことがあります。

これは会社の営業方針にもよりますが、誠実な業者であれば、結果に関わらず最低限のフォローを行って欲しいと思うものです。

連絡しないよりも、せめて1回連絡して「今回はお取引が難しい物件でした」と言われれば納得してくれるものですよね。

担当者が頻繁に変わる

担当者が途中で変わると、引き継ぎが不十分なまま進行が止まることもあります。

会社の内部体制の問題であることも多く、

担当が急に職場を辞めるケースもあり、引継ぎされないことも珍しくありません。

お客様としてはもう1度同じ話をしなければならず億劫に感じてしまいますよね。

なぜ不動産売却が進まないのか?

「対応が悪い」と感じる背景には、単なる連絡不足だけでなく、売却が進まない原因が潜んでいることがあります。

売主にとっては「放置されている」と見える状況でも、実際にはいくつかの事情が重なっているケースが少なくありません。

ここでは、不動産売却がなかなか前に進まない代表的な理由を解説します。

① 媒介契約の優先度が低い

不動産会社は、同時に複数の物件を扱っています。

その中でも「成約の見込みが高い案件」や「売主の協力度が高い案件」が優先されやすいのが実情です。例えば、

❌相場より高い価格で売り出している
❌書類がそろっておらず販売準備が遅れている
❌居住中の売却活動で、内覧の対応に柔軟性がない

といった場合、担当者の中で後回しにされる傾向があります。

不動産会社にとっても時間と労力の配分が必要なため、売主側が積極的に動かないと“優先度が下がる”のです。

② 売り出し価格が高すぎる

「まずは高めに出してみたい」という気持ちは自然ですので安心してください。

相場を大きく上回る価格設定では買い手の反応が鈍く、売却期間が長期化します。

不動産会社としても、内見希望者がほとんどいない状態では広告費だけかかって販売活動が停滞してしまいます。

結果的に「動いてくれない」「やる気がない」と感じられてしまうこともあります。

もし査定価格よりも2割以上高い金額で売り出しているなら、一度価格を見直す相談をしてみるのがおすすめです。

③ 物件資料や調査が未整備

売却活動には、登記簿謄本・間取り図・測量図・固定資産税など多くの資料が必要です。

これらが揃っていないと、購入希望者に正確な情報を提示できず、販売が進まない場合があります。

特に古い家や相続した土地の場合、
❓どの土地が相続した土地かわかっていない
❓境界が不明
❓建物が未登記
❓増築部分の図面がない
❓相続人全員が売ると言ってない

といったケースが多く、調査に時間がかかります。

④ 担当者の経験や対応力の差

担当者の知識不足や経験の浅さが原因で、買主との交渉がうまく進まない、販売戦略が弱いといったケースもあります。

この場合は、「会社」よりも「担当者」に問題があることが多く、別の担当者に変更してもらうだけで改善することもあります。

一括査定に申し込んだのに電話が来ない理由

「複数の不動産会社に一括査定を申し込んだのに、まったく電話が来ない」

そんな経験をした方も多いかもしれません。

一括査定サイトは“反響課金制”

主要な一括査定サイト(HOME4U・LIFULL HOME’S・アットホームなど)は、売主の情報が届いた時点で、不動産会社に1件あたり約1万円の課金が発生します。

つまり、反響を受け取った時点で会社側にはコストが発生しているため、「連絡しない」という選択肢はまずありません。

営業担当者は通知を受け取ると、1分以内に電話をかけるのが普通です。そのため、「電話が来ない」というよりも、

🔴着信拒否設定になっていた
🔴非通知番号を拒否していた
🔴登録番号が誤っていた
🔴仕事中や夜間で出られなかった

といった「売主側が気づけていない」ケースが多いのでは、と思います。1度入力した情報をチェックしてみてください。

それでも連絡がない場合の主な理由

① 査定対象外の物件だった
一括査定サイト側の審査で、農地・再建築不可・著しく老朽化した建物・調整区域などは除外されることがあります。これらの物件はシステム上、そもそもマッチングされない場合があります。

② 売主が高値を希望していると判断された
現地調査やヒアリング後に「希望価格が相場とかけ離れている」と判断されると、その後のフォローをストップするケースもあります。初回は熱心に連絡が来ても、その後“音信不通”になるパターンはこのケースです。

③ メール・SMSで連絡済みになっている
最近は、初回連絡を電話で行い、つながらなかった場合にはメールやSMSで済ませる会社も増えています。「電話が来ない」と思っていたら、迷惑メールフォルダに入っていた、SMSに来ていたというケースも多いです。依頼後は、メールボックスを一度確認してみるのがおすすめです。

対応が悪い不動産会社への対処法

不動産会社の対応が悪い、連絡が遅い・・そう感じたとき、感情的になってしまう前に、冷静に取るべき対応を整理してみるとよいです。

不動産売却は担当者との信頼関係が成否を分けます。少しの手間をかけるだけで状況が改善することもあります。

① 担当者を変えてもらう

担当者の変更依頼でもよい場合があります。

同じ会社でも、担当者によって経験・熱意・得意分野がまったく違います。営業所に連絡し、

「対応が遅れていて不安なので、別の担当の方に引き継ぎをお願いできますか」 と伝えれば、丁寧に対応してくれる会社が多いです。

変更をためらう必要はありません。あくまであなたの大切な不動産を預けているのですから、遠慮せず伝えることが大切です。

② 媒介契約の種類を見直す

専任媒介や専属専任媒介で契約している場合、他社への依頼ができないため、1社の対応が悪いと売却が止まります。

契約期間(3か月以内)が満了するタイミングで、他社に切り替えたり、一般媒介に変更する。

といった見直しを行いましょう。一般媒介なら複数の会社に同時依頼ができるため、販売スピードが上がることもあります。

③ 担当者に「次の行動」を具体的に確認する

「進捗がわからない」「何をしているのかわからない」と感じたら、「今どんな状況ですか?次はどんな動きをしていただけますか?」と質問するのがおすすめです。

これにより、販売活動の現状が可視化でき、担当者が次のアクションを意識できます。

案件をたくさん抱えている会社の場合、何度も連絡が来ないと優先順位が上がらない場合がある、と私は感じています。

④ ほかの不動産会社に意見を聞く

どうしても不信感が拭えないときは、他社にセカンドオピニオンを求めるのも有効です。

複数社に相談してみると、査定価格の根拠、売り方の提案内容、販売エリアの知識、などに大きな差が見えてくることがあります。

「今の会社が悪い」のではなく、自分に合ったパートナーを見つけるという発想で動くと良いでしょう。

信頼できる不動産会社を見極めるポイント

「対応が悪い」と感じた経験をきっかけに、次は「対応の良い会社」を見極めたい・・そう思う方も多いでしょう。

不動産会社は数多くありますが、実際に信頼できる会社には共通する特徴があります。

ここでは、売主の立場から見た「誠実な不動産会社」を見分けるポイントを紹介します。

① 連絡・報告が早い

不動産の売却はスピードとタイミングが重要です。そのため、連絡の早さ=信頼の度合いといっても過言ではありません。たとえば、

✅問い合わせや査定依頼に対してすぐ返信がある

✅内見や反響について、逐一報告してくれる

✅売主からの質問に対して丁寧に説明してくれる

といった対応をしてくれる会社は、総じて誠実で責任感があります。

逆に「メールの返信が遅い」「報告がない」会社は、他の物件を優先しているか、人材不足か、担当者の管理がずさんな可能性があります。

② 販売戦略や査定の根拠を明示できる

「とりあえず○○万円くらいですね」と口頭で済ませる会社よりも、データに基づいて価格根拠を説明できる会社を選びましょう。

信頼できる不動産会社は、

✅近隣の成約事例✅路線価・公示価格✅坪単価や建物状態の補正要素

などをもとに、査定価格の理由をきちんと示します。

また、「なぜこの価格で売れる(または売れない)のか」を説明できる担当者は、販売力・交渉力も高い傾向にあります。

③ 専任媒介契約を急がせない

媒介契約とは不動産屋に販売を委託する契約のことです。

不動産屋からするとウチに任せてください、というものですが、まだ売主が売却の意思を固めていない段階で強引に迫る形はよくないと思います。

「じゅうぶん考えてから決めてくださいね」「問題なければサインしてくださいね」というスタンスであることが大事です。

④ 地元の実績と口コミがある

地域密着型の会社は、地元特有の事情(相場・条例・人気エリア)を熟知しています。

ネットの口コミや、地域の掲示板などで評判を確認してみるのもおすすめです。

Googleマップで検索するとその不動産会社の口コミ(★マーク)がついているのである程度の客観的な評価がわかると思います。

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