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野田市「古家付き土地」は狙い目?投資・売買のポイントを解説

古家付き土地とは?再建築・解体・売買の基本を理解する

古家付き土地と更地の違い

  • 古家付き土地

    「古家付き土地」とは、建物が残ったままの状態で売りに出されている土地のことです。築年数が古く、建物の価値がほとんど無い、あるいは解体を前提として取引されるケースが多いです。

    古家付き土地は、建物があることによって固定資産税が安く抑えられている場合が多く、所有者にとって「更地で維持するよりもコストを抑えられる」メリットがあります。

  • 更地

    一方で「更地」は、すでに建物が解体・撤去され、建築ができる状態の土地を指します。見た目がすっきりしており、買主もイメージしやすいですが、解体費用の面で負担が大きくなります。

古家付き土地の固定資産税は安くなる?

はい、これは多くの所有者が注目するポイントです。建物が残っている土地は、住宅用地の特例(固定資産税の軽減措置)の対象となるため、更地に比べて税金が最大6分の1まで軽減されます。

例えば、同じ100㎡の土地であっても、古家が残っていれば年間5万円程度の固定資産税が、更地にすると30万円近くに跳ね上がることもあります。解体してしまうと翌年から住宅用地特例が外れてしまうため、売却直前まで古家を残しておくほうが税務上有利なケースが多いのです。

そのため、売主は「解体して更地で売るよりも、古家付きのまま売却する」ことを選択することがあります。野田市の場合ですと、古家付き土地の形で市場に出るケースはよく見られます。

「古家付き土地」として売られる理由

不動産広告で「古家付き土地」と表記されている場合、その多くは次のような理由によるものです。

  • 建物の老朽化が激しく、建物の責任を売主が負いたくない
  • 解体費用を売主が負担したくない
  • 建物を残すことで固定資産税の軽減を維持したい
  • 市街化調整区域など、解体すると再建築できなくなる可能性がある

つまり、古家付き土地とは「売主のリスク回避」と「買主の自由度」を両立させた販売形態といえます。現況渡し(建物の状態そのまま引き渡す)で売られることが多く、解体するか・リフォームして使うかは買主の判断に委ねられます。

「解体して更地渡しにしたい」理由とは

理由①:新築用の土地としての価値が見込めるため

新築用地としてマーケットが広がり、ハウスメーカーで検討してる一般層や建売業者などに売り出し、販売価格も高めに設定できる傾向があります。

理由②:買主が住宅ローンを利用できるようにするため

金融機関は、ボロボロで使えない建物が残っていると「担保評価が下がる」「融資対象外」という傾向があります。

🔸そのため仲介業者は、 「建物を解体して更地で引き渡し」としておけば、買主が安心してローンを組める=成約しやすくなる、という“販売戦略”で、売主に解体を提案します。

理由③:契約後のトラブルを防ぐため

古家付きのまま引き渡すと、 ・建物の損傷(雨漏り、シロアリ、傾きなど) ・敷地内の残置物や地中埋設物(浄化槽・廃材など) といった 瑕疵(かし)責任 が後で問題になることがあります。

解体して更地にすれば、建物の瑕疵に関する責任を負う必要がなくなり、売主も安心して引き渡せるわけです。

古家付き土地に、解体費が含まれているか?

「古家付き土地」という売り方の場合次の2点を確認しましょう。

①現況有姿 ②更地渡し

  • ①広告に、現況有姿と表示されている →これは「そのまま引き渡し」の意味です。 売るのは土地ですが、家屋ごと引き渡しますので、その家屋を再利用するか、解体して他の用途で活用するかは買主の自由です、ということを表現しています。 買主が解体する場合は、売買代金にプラスして解体費用がかかってきます

  • ②更地渡し →建物を売主の責任と負担で解体して、更地の土地にして引き渡しますよ、という意味です。

解体費が含まれているかどうか

①も②も表示されている価格と、引き渡し条件で決済になります。

つまり「更地渡し」は売主負担で解体し、「現況渡し」買主負担で解体することになります。

投資家目線でいえば、②の更地渡しですと「解体しなくていいから解体費用分(100~200万円)値下げしてよ」と言いたいところだと思います。

新築を検討してる一般の方目線でいえば①については、「売買代金に解体費もかかるのは大変だから、解体費分は値引きしてよ」と言いたいところですね。

野田市の古家付き土地の特徴と相場

野田市で古家付き土地が多いエリアはあるか調べてみました

suumoでも、athomeでも物件検索時に「土地」「上物有」で検索すると、土地として販売されているのに古家がある物件が出てきます。

ある日の野田市内の土地を検索してみたところ約150件出ました。そして以下のような割合でした。

更地古家付き
10250

50件出てきた古家付き土地の詳細を見てみたところ、以下の内訳となりました。

現況渡し更地渡し相談
251510

現況渡しの方がやや多めですね。

エリアですが、野田市全体的に分布していました。

エリアごとに現況/更地渡しの傾向はある?

現況渡し更地渡し相談総計
関宿4037
市街地97521
住宅街115218
調整区域2204
総計25151050

現況渡しは関宿方面(野田市の北の方)ではかなり多いですね。これは市街化調整区域が多く、価格帯も安く投資家向けのエリアといえます。

市街地は現況渡し9/更地渡し7で半々となりましたが、相談可の物件が多かったですね。相談可にすることで市場を広げていることがうかがえます。

住宅街では現況渡し11/更地渡し5といった割合。

データ量がそう多くありませんので、ざっくりとした傾向での理解です。

※ちなみに古家付きの場合、その建物の築年数や状態は明らかにされない場合が多いと思います。

現況渡しか更地渡しかで変わる相場の違い

現況渡しの場合の平均㎡単価は6万円。 更地渡しの場合の平均㎡単価は8.5万円。

となりました。

更地渡しは高値・現況渡しは低値。古家付きのままだと2~3割安くなる傾向といえるかもしれません。

市街化調整区域・再建築不可に注意

市街化調整区域にある土地建物についてですが、1度建物を解体してしまうと、再建築出来ない可能性がある点に注意です。(野田市のルール)

もし建て替えを検討している場合は、既存の建物があるうちに、野田市の建築指導課に相談に行く必要があります。

古家付き土地の場合、建物の状態を教えてくれない?

建物を利用する前提で物件購入を検討している場合に気になるのが、「建物の状態」だと思います。

  • 建物の状態はどれぐらい劣化しているか
  • 雨漏り、シロアリ、傾きがないか
  • 中の写真を見せてくれないか
  • 室内を内覧させてもらえないか

こういった気になるポイントはたくさんあると思います。

広告を掲載している不動産会社に問い合わせると、2パターンに分かれます。

①土地として売ってるので建物の状態は教えられない ②資料があればお出しできる、内覧も可能

①についてですが、売主も不動産会社の担当としても、中の状態を把握できていない可能性があります。 内覧してもあきらめる人が多い場合は最初からお見せできない構えになります。

特に「更地渡し」前提の売却の場合はこの傾向がさらに強まるでしょう。

投資家としてはリスク折り込み済で、現況渡しの大幅指値で買付を出すしかないと言えます。

投資家向け、古家付き土地の購入前のチェックポイント

古家付き土地の購入は、更地の土地や新築住宅と比べて確認すべきポイントが多くあります。 とくに「修繕費用の目安」「再建築できるか」「インフラが整っているか」などは、購入後の利用価値や売却価格に大きく影響します。 ここでは、購入前に必ず押さえておきたい4つのチェック項目を解説します。

とは言え、基本的には仲介の不動産会社から広告内や重要事項説明書で説明があるはずです。

再建築の可否・接道要件

まず最も重要なのは「再建築できる土地かどうか」です。 建築基準法上の「接道義務」を満たしていない土地(基準法道路に2m以上接していない土地)は、再建築不可物件となり、原則として新築や建て替えができません。

現況では古家が建っていても、建て替えの際に「許可が下りない」ケースがあるため、必ず市役所の建築指導課や不動産会社を通じて確認しましょう。

建て替え出来ない場合は、投資の出口としてはボロボロの建物付きで売るか、駐車場・資材置き場用地として売る形になるでしょう。(新築用地としての市場が無くなるこ)

上下水道・ガス・電気などのライフライン状況

古家付き土地では、ライフラインの整備状況にも注意が必要です。 特に古い住宅地や調整区域では、以下のようなケースが見られます。

  • 上水道が引き込みが無い、井戸使用
  • 上水道有だが、管径が細く水の勢いが無い
  • 下水道が整備されてない浄化槽を使用している、故障している
  • 管が劣化して使用に耐えない
  • TVがつかない、ネットが届かない

これらの整備・引き込み費用は数十万円単位になることもあるため、購入前に「ライフラインの現況」と「新規にかかる費用」を確認しておきましょう。

可能なら内覧して上下水道が流れるかチェックしたいですね。

越境・境界・樹木・擁壁の確認

古家付き土地では、隣地との境界が不明確なケースや、樹木・ブロック塀が越境しているケースが少なくありません。 また、古い宅地では擁壁(高低差のある土地の土留め)が設置されており、老朽化していると修繕義務や安全性の問題が生じます。

購入前にできれば測量図を確認し、境界杭の有無をチェックしておきましょう。 越境や擁壁の問題は、購入後に近隣トラブルへ発展することもあります。 不動産会社が「現況渡し」と説明している場合でも、リスクを理解したうえで契約することが大切です。

建物が未登記の場合の注意点

古家付き土地の中には、建物が登記されていない「未登記建物」も存在します。 この場合、売買契約で「建物の所有権」をどのように扱うかが明確でないと、トラブルになるおそれがあります。

不動産屋や司法書士に「建物登記がされているか」を調べてもらい、未登記なら登記簿上に記録できるか(あるいは滅失登記を行うか)、それを売主/買主のどちらが行うかを検討しましょう。

まとめ:古家付き土地は「リスクとチャンス」を見極めて選ぶ

古家付き土地は、解体費が価格に反映されて割安になっているケースも多く、 リフォームや再生投資を考える人にとっては大きなチャンスでもあります。

ただし、再建築の可否・境界・ライフライン・建物の状態など、 購入前に確認すべきポイントも多くあります。

焦らず現地を見て、条件を確かめながら、自分にとって最善の選択をしていきましょう。


弊社ミューファは千葉県野田市で不動産仲介、建築、設計、土地測量等を営む会社です。

不動産の売却を検討中でしたら野田市で不動産売却・査定をご覧いただき、お問合せいただけますと幸いです。

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