まずは、空中撮影自体のメリット・デメリットをご案内し、次にドローンによる空中撮影のメリット・デメリットをご案内させて頂きます。

1.空中撮影のメリット・デメリット

メリット1.鳥瞰で現物を確認できる。

例えば、役所や自社で保管している建物の公図、地積測量図、配置図は、実存する建物配置や寸法と100%一致することはほぼありません。これは、計測機械の進化により従前の記録に大きな誤差が発生していたことや、人為的なミスによる誤記・破棄、増改築した際の未申請・未登録があるためと考えられます。この点、空中撮影であれば、広範囲における測量対象物の姿をリアルタイムに確認することができ、「前進」「後進」「高さ」「斜め」など、位置や角度を都度変化させながら、バリエーションの多い映像を撮影することが出来ます。

メリット2.「ひずみのない」画像により、正確な測量を行える。

通常、カメラで撮影された写真や画像は、「中心投影」という投影法により、光学レンズを介して得られる画像であるため、近い部分は大きく、遠い部分は小さく写ります。そのため、中心の1点のみ真上から見ることができる一方、その周辺は側面がみえてしまうため、全体を真上から見ることができません。一方航空写真では、「中心投影」にて撮影したデータを「正射投影変換」することにより「オルソ画像」※を作成することができるため、ひずみのない正確な測量を行うことが出来ます。

※航空写真撮影での空中写真は、レンズの中心から対象物までの距離の違いにより、写真上の像に位置ずれが生じます。このズレを地図上と同じように真上から見たような正しい位置と大きさに表示されるように正射変換したものを「オルソ画像」といいます。

△ デメリット1.費用が高額になる。

ヘリコプターまたはセスナなど小型飛行機で空中写真撮影を行うためには、次の経費が必要となるため、高額となります。

  • チャーター費(有人ヘリ・セスナ)、燃料代、保険代
  • ジャイロセンサーなどの機器付きの専用のデジタルカメラ
  • パイロット(人件費)
  • 同乗者(人件費)

△ デメリット2.取り直し(リテイク)が発生すると再撮影となる。

小型飛行機は1時間あたりで料金が加算されるため、短時間で空中写真撮影を行う必要があり、もし撮影ミスをした場合、再フライトすると倍額が必要となります。

2.ドローン(無人航空機)による空中撮影のメリット・デメリット

◎ メリット1.経費が安く済む。

一方で、ドローンによって空中写真測量を行うには、次の項目で十分です。

  • ドローン本体、バッテリー数本
  • 操縦士(認定パイロット)

現在ドローンには、小型で高性能なカメラによって、鮮明な映像を撮ることができます。コスト面で飛行機と比較すると非常に低コストで空中写真を撮影可能です。

また、地表からドローンパイロットが高画質液晶画面を見ながら操作できるため、一度に数百枚の写真撮影をすることや、4K動画撮影したとしても、撮影の人件費は予算内で納めることができるため、非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。

◎ メリット2.どこにでも運ぶことができる。

ドローンには種類があり、200g以下の小さなドローンから、物資を運ぶことができる大型のドローンまでさまざまです。その中で、空中写真を撮影するドローンは、比較的小型でOKです。テレビ局が現場で使っているドローンも小型の機種が多く、山奥でも秘境の里でも、ドローンによる高画質(4K)撮影が可能です。

◎ メリット3.狭い場所や被写体に近接しての撮影が可能

ドローンの最大の特徴は人が搭乗しない無人航空機であるということです。通常の航空機と比較して非常に小型であるため、他の機体では近づけない狭い場所での撮影や、被写体に数mまで近接しての撮影も可能です。

△ デメリット1.地表または水面から150mを超える高度では、原則、撮影出来ない。

DJI-mavic2_ドローンのカメラの視野角ドローンの高度は、航空法により地表または水面から150mまでと定められています。そのため、ヘリコプターやセスナの高度(300m以上)では飛行できません。ただし、国土交通大臣から許可を得ることが出来れば150mを超える高度でのドローン撮影が可能となります。なお、有限会社ミューファでは高度230mまでのドローン飛行許可を得ております。

弊社ドローンの視野角(FOV/field of view)は75°ですので350平方メートルの敷地を一画面に納めることが可能です。

また、いくら高い高度で撮影できたとしても、撮影するカメラの性能や有効画素数の限界があるため、高度×カメラ性能×価格についてバランス良くとれる組み合わせが、より良いコストパフォーマンスに繋がると考えられます。

△ デメリット2.人口集中地区(DID地区)エリアでは、原則、撮影出来ない。

DID地区_千葉県野田市人口集中地区(Densely Inhabited District地区/DID地区)とは、人口密度が1平方km当たり4,000人以上の基本単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接し、それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に5,000人以上を有するこの地域をいいます。千葉県野田市も右図のように一部がDID地区となっております。

さて、DID地区内の場合、例え自宅の敷地内であっても、河川敷や農地のように周囲に人がいない場所であっても、ドローンを飛行させることは禁止されております。

ただし、国土交通大臣から許可を得ることが出来ればDID地区内でもドローン撮影が可能となります。もちろん、有限会社ミューファでは、DID地区内でのドローン飛行許可を得ております。

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