不動産の売却を考え始めたとき「何から始めればいいのか」「まずどこに相談すればいいのか」がわからないケースって結構あります。
不動産の売却に関連するイベントは多様ですので、不動産屋・司法書士・税理士・引越し屋・解体屋などのどこに相談すべきなのか、判断が難しい事もあります。
最近では「無料相談」や「無料査定」を行っている業者も増えていますが、どこまで無料で対応してもらえるのか、また
この記事では、
不動産売却の「無料相談」でわかること・できることを整理し、
不動産屋・司法書士・税理士それぞれの相談範囲と、上手な活用方法をわかりやすく解説します。
これを読めば、自分の状況に合った相談先が見えてくるはずです。
不動産売却の無料相談とは?
「無料相談」とは、不動産の売却を検討している方が、費用をかけずに専門家へ相談できるサービスのことです。
不動産会社・司法書士・税理士など、立場の異なる専門家がそれぞれの分野でアドバイスを行っています。
たいていは営業の一環として、初期の入口として設けている場合がありますので、ちょっと警戒しながら相談される方も多いのかなと思います。
無料相談でわかること・できること
無料相談の主な内容は次のとおりです。
- 不動産の売却相場や価格の目安
- 売却にかかる期間や手続きの流れ
- 売却時に発生する費用・税金の概要
- 名義・登記・相続などの法的な手続き方法
- 売却後に必要な確定申告や節税対策
特に「相場を知りたい」「手続きの順序を知りたい」といった初期段階の相談であれば、無料の範囲内で十分に解決できるケースも多いです。
「無料」といってもどこまで対応してもらえる?
「無料相談」とはいっても、どこまで無料で対応してもらえるかは専門家によって異なります。表で整理しましたのでどのタイミングから有料になるケースが多いかチェックしてみてください。
| 専門家 | 無料の範囲 | 有料になるケース |
|---|---|---|
| 不動産会社 | 査定・相場説明・売却方法の提案 | 売買契約を締結して実際に売れたとき初めて仲介手数料が発生 |
| 司法書士 | 売却に関する登記や名義の相談 | 実際の登記申請手続き(登記費用・報酬) |
| 税理士 | 譲渡所得税・相続税の一般的な相談 | 税金シミュレーション計算や確定申告書の作成代行 |
| 行政書士 | 農地転用・遺産分割などの相談 | 書類の作成・申請代行 |
| 測量士 | 現地確認を伴わない相談 | 現況測量、確定測量、地積更正 |
「話だけ聞いてみたい」「まだ売ると決めていない」という段階でも対応してもらえる場合がほとんどです。
初回30分~1時間の範囲で無料対応している事務所が多いかな。
不動産会社以外は、1時間5000円など有料相談を展開している場合もあります。
そして、具体的な書類作成や登記・申告などの実務に入ると有料になるのが一般的です。
相談前に確認しておきたいポイント
無料相談を有効に活用するためには、次の3点を意識するとよいでしょう。
①自分が何を知りたいかを明確にする
相場を知りたいのか、税金を知りたいのか、手続きを確認したいのかを整理しておきましょう。
②物件に関する資料を用意しておく
登記簿謄本や固定資産税の納税通知書などがあると、より正確な回答をもらえます。
③相談内容をメモしておく
不動産売却は専門用語も多く、一度の相談で覚えきれないことが多いです。後で比較・検討できるように記録しておきましょう。
この章では「無料相談の基本」と「対応範囲の見極め」を明確にしました。
次の章では、実際にどんな内容を不動産屋・司法書士・税理士に相談できるのかをそれぞれ詳しく見ていきましょう。
不動産会社に相談できること

不動産屋(仲介会社)は、不動産売却における「現場の専門家」です。
売却価格の査定から販売活動、契約・引き渡しまでの全体像を把握しており、最も多くの相談が寄せられる窓口といえます。
そして必要があれば、各種関連業者の橋渡しや紹介を担います。不動産売却で迷ったらまずは不動産会社に相談するとよいでしょう。
売却価格の査定と相場感の確認
無料相談で最も多いのが、「自分の家はいくらで売れるか」というご相談です。
不動産会社では、近隣の取引事例・公示地価・レインズ(過去の成約データ)などをもとに、「机上査定」や「訪問査定」を無料で行っています。
机上査定:住所・面積・築年数などのデータから相場を算出(数日でわかる)
訪問査定:実際に現地を確認して建物の状態や環境を踏まえた精密な査定。(場合によっては登記簿を取得したり役所にて調査を行う査定も含まれます)
まだ売却を決めていない段階でも、「相場を知っておきたい」という相談だけでも問題ありません。
販売戦略・広告方法の提案
査定額が決まったら、どのように売るかという戦略の話になります。
不動産会社の無料相談では、以下のような提案を受けられます。
✅不動産ポータルサイト(ATHOME・SUUMO・HOME’S等)での掲載方法
✅建物を解体して土地で売った方がよいかどうか
✅最初は高めで売り出して、段階的に価格を下げていくか
✅最初から相場より安く売りだすか
✅仲介と買取(業者による直接購入)のどちらが向いているか
✅内覧の対応方法や、キーロックの扱いなど
たとえば「住みながら売りたい」「相続した家をなるべく早く処分したい」など、状況に応じて柔軟な売却方法を提案してもらえます。
売却時にかかる費用やスケジュールの説明
売却にかかる費用(仲介手数料・登記費用・測量・解体費など)や、査定から契約・引き渡しまでの期間の目安も、不動産屋に相談できます。
👉査定から売却完了までの期間:一般的に 3~6か月程度
👉手取り金額の計算:売却価格から諸費用を引いた残額をシミュレーション
このあたりを明確にしておくことで、「実際にいつ・いくら手元に残るのか」がイメージしやすくなります。
こんな場合は不動産屋への相談がおすすめ
不動産屋への無料相談が向いているのは、次のようなケースです。
- 住み替え・転勤などで売却を検討している
- 空き家・古家を持っていて活用に困っている
- 農地や市街化調整区域の扱いを相談したい
- 離婚・相続などで財産分与や売却を考えている
- 早く現金化したい・買取を検討している
特に野田市のように、市街化調整区域や農地など特殊な土地が多い地域では、地域事情に詳しい不動産会社へ直接相談するのがおすすめです。
司法書士に相談できること

司法書士は、不動産の「権利と登記の専門家」です。
名義変更や相続登記、抵当権抹消などの法的手続きを担当し、売却の法的な安全性を確保します。
不動産売却では欠かせない存在です。一定の無料相談は受け付けていますが、次章から紹介する実際の手続きに入ると有料での対応が一般的です。
相続登記・名義変更の手続き
相続した不動産を売却するには、まず相続登記(名義変更)を完了しておく必要があります。被相続人の名義のままでは売却契約を結ぶことができません。
司法書士は以下のような流れをサポートします。
①相続関係を調べ、戸籍・除籍謄本などの書類を収集
②遺産分割協議書の内容を確認
③登記申請書の作成・提出
④登記完了後の権利証(登記識別情報)の交付
2024年4月からは相続登記の義務化も始まり、3年以内に手続きを行わないと罰則が科される場合があります。早めの相談が安心です。
共有名義の整理や遺産分割協議のサポート
共有名義の不動産を売却する場合は、共有者全員の同意が必要です。
「兄弟のうち1人が反対している」「遠方にいて連絡が取れない」などのケースでは、司法書士が法的な整理と協議書作成のサポートを行います。
また、遺産分割協議がまとまらない場合には、弁護士と連携して家庭裁判所の調停手続きに移行するケースもあります。
不動産の名義関係が複雑なときは、司法書士への早めの相談が有効です。
成年後見制度を利用する売却の手続き
所有者が認知症などで判断能力を失っている場合、本人の同意が得られないためそのままでは不動産を売却できません。
この場合、司法書士が成年後見制度の申立て手続きを支援し、家庭裁判所から後見人が選任されると、後見人が代理で売却契約を進められるようになります。
このように、法的にハードルの高い案件も司法書士が窓口になることでスムーズに進みます。
登記費用や必要書類の相談
不動産会社に販売活動をしてもらい、買主を見つけて売買契約が締結されて、引き渡し(所有権移転)になると、また司法書士の出番がきます。
売却に関する登記では、以下のような費用や書類が必要になります。
- 登記手数料・登録免許税
- 権利証または登記識別情報
- 印鑑証明書・本人確認書類
- 固定資産税評価証明書
たくさん書類がありますが、これは不動産売買契約後~引き渡し決済の間に、不動産屋から紹介される司法書士経由で連絡があるのが一般的です。(もちろんご自身で探した司法書士に依頼しても大丈夫です)
弊社では司法書士が在籍していますので、最初の面談で司法書士&不動産部門で対応させていただいています。
税理士に相談できること

不動産を売却すると、利益が出た場合に「譲渡所得税」などの税金がかかります。
また、相続や離婚、共有持分の整理など、売却理由によって税金の種類や計算方法も異なります。
税理士は、こうした税金の計算・確定申告・節税対策の専門家です。30分~1時間の無料相談を行っている税理士もありますが、以下のような具体的な作業に入ると契約後の有料になっていきます。
不動産売却でかかる税金の種類と仕組み
不動産を売却したときに発生する代表的な税金は次の3つです。
| 税金の種類 | 内容 | 申告先 |
|---|---|---|
| 譲渡所得税 | 売却益(売却価格 − 購入費用 − 諸費用)に対して課税される所得税 | 税務署 |
| 住民税 | 上記の譲渡所得に対して翌年度課税される地方税 | 市町村 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼付する印紙代 | 国(契約時に納付) |
税理士への無料相談では、「どの税金がかかるのか」「いくらぐらいかかりそうか」など、税金の見通しを事前に把握することができます。
節税につながる控除制度の活用アドバイス
税理士は、各種の特例や控除を利用して節税する方法についてもアドバイスします。
代表的な特例には次のようなものがあります。
①3,000万円特別控除(マイホームを売却した場合)
②相続税取得費加算の特例(相続不動産を売却した場合)
③長期譲渡所得の軽減税率(所有期間が5年以上の場合)
制度を正しく理解し、どの書類を残しておけば申告で有利になるかまで教えてもらえる点がメリットです。
確定申告と必要書類のサポート
不動産を売却した年の翌年には、確定申告が必要です。
税理士は、以下のような手続きを代行・サポートしてくれます。
🧮売却価格や取得費、経費をもとにした譲渡所得の計算
📃必要書類(売買契約書・仲介手数料の領収書・登記費用の明細など)の整理
📝税務署への申告書作成・提出
特に、相続不動産や複数の不動産を所有している方の場合、取得費の計算が複雑になるため、年末には早めの相談が安心です。
相続や贈与が絡む場合の税務相談
税理士の無料相談では、次のような相続・贈与に関する税務相談も受け付けています。
🏅誰がどれだけ相続すると相続税が一番少ないか
💴相続した不動産を売却するときの譲渡所得税
📃相続税の申告が必要かどうか
👪贈与を受けた土地を売るときの課税関係
特に、「相続してから3年以内の売却」は節税の特例が適用できるケースもあるため、売却の前段階から税理士に相談しておくと、結果的に大きな節税につながることがあります。
無料相談を受けるときの注意点
「無料相談」と聞くと気軽に利用できますが、内容によっては少し注意が必要です。
無料といっても、相談範囲や目的が異なるため、事前に準備しておくことでより有意義な相談になります。
無料相談の「範囲」を確認しておく
「不動産屋の無料相談」と「司法書士・税理士の無料相談」では、扱う範囲がまったく異なります。
| 相談先 | 主な相談内容 | 相談料 |
|---|---|---|
| 不動産会社 | 査定・売却方法・相場・広告戦略など | 無料(売却見込みがあるため) |
| 司法書士 | 相続登記・名義変更・成年後見制度など | 初回30分~60分無料が一般的 |
| 税理士 | 譲渡所得・相続税・確定申告など | 初回無料または低料金 |
「売却を前提にした相談」か、「法的・税的な整理をしたい相談」かで、どの専門家に話すべきかが変わってきます。
まずは相談内容を明確にしておきましょう。
相談内容を整理しておくとスムーズ
無料相談を有効に活かすには、事前に質問したい内容をメモしておくのが良いと思います。たとえば以下のようなポイントを整理しておくと、話がスムーズに進みます。
🏠現在の不動産の状況(空き家・居住中・相続中など)
💴売却希望時期と目的(住み替え・相続整理・資金化など)
👪名義人・共有者の有無
💰ローン残高の有無や返済状況
📃必要な資料(登記簿謄本・固定資産税通知書など)
これらを共有しておくことで、相談相手もより的確なアドバイスができます。
しつこい営業を避けたい場合の対策
不動産会社によっては、無料相談や査定の後に営業電話が頻繁に来る場合があります。
不動産会社は不動産売却の委任の契約(媒介契約)を結んで、実際に販売活動を経て、不動産が売れないことには1円も手数料をいただくことができません。(宅建業法の義務です)
ですので、早く媒介契約を締結したいと考える会社が多いと思います。しつこい営業を避けたい場合は、次のように伝えておくと効果的です。
「今は比較検討中のため、メールでのご連絡を希望します」
「こちらから連絡するので、お電話は不要です」
査定依頼フォームに「営業電話はお控えください」と明記する
誠実な会社であれば、こうした希望を尊重してくれます。
また、地域密着型の不動産会社は営業スタイルが穏やかで、売主のペースに合わせてくれるケースが多いです。
相談後は「信頼できる相手かどうか」で判断
無料相談を受けたあとは、「この担当者なら任せられるか」を冷静に見極めることが大切です。チェックポイントは次のとおりですね。
✅専門用語をわかりやすく説明してくれるか
✅デメリットも正直に話してくれるか
✅質問への回答が明確で、根拠を示してくれるか
✅料金が明朗か
✅契約を急がせないか
最終的には「信頼できる担当者」に任せることが、売却を成功させる最大のポイントです。
弊社は不動産会社であり司法書士と行政書士が在籍していますので、ワンストップなサービス提供に自信があります。もしご興味がおありでしたら、ミューファの不動産売却をご覧ください。
