不動産の売却を検討していると、「査定を頼んだけれど、やっぱりやめたい」「他社にお願いすることにした」といった場面が出てくることがあります。
しかし、いざ断ろうとすると「悪い気がする」「しつこくされたら嫌だ」と、気まずさを感じる人も少なくありません。
実は、不動産の査定や媒介契約は売主が自由に判断できる段階です。
査定を依頼したからといって契約の義務が生じるわけではなく、途中で見送ることもキャンセルすることも可能です。
ただし、伝え方を誤るとトラブルの火種になることも。
この記事では、査定を断るとき・契約を解除したいときの伝え方を解説します。
不動産会社との関係を維持しつつ、スムーズに手続きを進めたい方はぜひ参考にしてください。
査定を断るのは悪いことではない査定はあくまで「見積もり段階」
不動産の査定は、あくまで「この価格で売れそう」という目安を出すための見積もりです。
リフォーム業者や引越し会社の見積もりと同じく、複数社に依頼して比較検討してもまったく問題ありません。
「査定を頼んだら契約しなければいけない」と思っている人もいますが、それは誤解です。
査定は無料サービスとして提供されており、売主が内容を見て判断する段階にすぎません。
無理に契約する義務はない
査定後に「思ったより安い」「売却のタイミングではない」「他社の方が条件が良い」と感じた場合、契約に進まず断っても構いません。
不動産会社はあくまで選択肢の一つを提示している立場であり、売主の判断を尊重します。
特に、複数社に査定を依頼していると「どこか一社に悪い気がする」という心理が働きがちですが、不動産取引では複数社比較が当たり前です。
むしろ、比較検討せずに契約してしまう方がリスクになるケースもあります。
“冷やかし”と思われるのが不安?──心配しなくて大丈夫
「まだ売るかどうか決めていないけれど、価格だけ知りたい」という理由で査定を依頼される方はとても多く、不動産会社では日常的にあるご相談です。
売却するかどうかの判断材料として査定してほしい、という依頼は弊社としても歓迎しております。
一方で、「売る意思が無い」「勉強のため」「離婚の財産分与のため」といった目的での査定依頼もありますが、弊社では 正確性の高い査定書の作成や調査にかなりの時間とコストをかけているため、このような目的の査定については、お断りさせていただく/現地調査を行わない「机上査定」のみ/現地調査希望の場合はコンサルティングとしてのご依頼(査定書作成契約)をお願いしております。
そのため、もし今すぐ売却する予定がない場合は、その旨を最初に正直にお伝えいただけますと大変助かります。売却の意思や時期を踏まえた、より適切なサポート方法をご提案させていただきます。
不動産会社が動く「査定の裏側」
昨今AIを用いた査定が流行っていますね。超スピードで結果が出ますが、正確性に欠けたり、期待を持たせすぎてしまう結果が出る傾向があると感じています。
現地確認・役所調査・相場分析などを行っている
不動産の査定は、単に「机上で価格を出す」段階のものもありますが、実際には、不動産会社は次のような調査を行っています。
①現地を訪れて土地の形状や接道状況を確認
②市役所や法務局で登記簿・用途地域・建築制限などを調査
③周辺の過去取引データや成約事例を分析
④必要に応じて、建物の状態や残置物の有無もチェック
査定の価格は、こうした実地の情報を踏まえて算出されます。
そのため、売主から見ると「ちょっと見てもらっただけ」でも、不動産会社の側ではある程度の時間と労力(登記簿を取るには出費もある)をかけて動いているというのが実情です。
解体・測量・登記の見積もりを取る場合もある
物件によっては、より正確な査定を行うために、建物の解体費用や確定測量・分筆登記などの関連見積もりを取るケースもあります。
これは不動産会社が、「売却を前提にした準備」を整えておくために行うことが多く、売主にとってはありがたいサポートでもあります。
しかし、見積もりや資料収集を進めたあとに他社へ依頼されると、不動産会社としては実費が出ていなくても稼働コストが残るという一面もあります。
だから「断りにくい」と感じるのは自然なこと
こうした背景を知っているからこそ、「せっかく動いてくれたのに悪いな」と感じる人が多いのです。
ただ、ここで誤解してはいけないのは、査定を受けたからといって、契約しなければならないわけではないという点です。
不動産会社も、すべての査定が契約に結びつくわけではないと理解しています。
むしろ、途中でやめたいと思ったら早めに伝える方が、お互いに無駄な稼働を減らすことができ、結果的に良好な関係を保てます。
無理に気を遣う必要はないが、きちんと伝えるとお互いスムーズ
断るときに遠回しな表現を使うと、「検討中なのか」「まだ可能性があるのか」と誤解され、営業の連絡が続くことがあります。
一番良いのは、短く・明確に・早めに伝えること、なのかなと思います。
「今回は見送ることにしました。ご対応ありがとうございました。」
これだけで十分です。感情的にならず、淡々と伝えることで、相手もスムーズに対応できます。
不動産査定の断り方(電話・メール例)

断り方についてですが、シンプルに「今回は見送りたい」と伝えるで構いません。
査定を依頼した不動産会社を断るときは、理由を長く説明する必要はありません。むしろ、あいまいな表現をすると相手に期待を持たせてしまい、再度連絡が来るケースもあります。
一番シンプルな伝え方は、次のような言葉です。
「今回は見送ることにしました。ご対応ありがとうございました。」
これで十分伝わります。「別の会社に決めました」などの詳細な理由を話さなくても問題ありません。
理由を述べる必要は基本なし
不動産会社は、査定の段階で「成約にならないこともある」と理解しています。そのため、売主が断ること自体を責めるようなことは通常ありません。
ただし、もし担当者が熱心で何度も連絡してくる場合は、はっきりと「今回はお願いしないことにしました」と伝えるのが効果的です。言いづらいときは、メールやLINEでの連絡でも構いません。
不動産屋としては「今回何か対応が悪かったのかな」と思うものですので、理由を聞かれる場合もあると思います。その時は答えても構いません。
電話で伝える場合の例文
「お世話になっております。先日は査定のご対応をありがとうございました。検討しましたが、今回は見送ることにいたしました。ご尽力いただいたのに申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。」
→ ポイントは、「感謝+お断り+締めの言葉」の3点を入れること。 ビジネスメールの定型のようなもので、担当者もすぐに理解してくれます。
メール・LINEで伝える場合の例文
件名:査定結果について
○○不動産 ○○様
先日は査定のご対応をありがとうございました。
検討しましたが、今回はお願いしないことにいたしました。
ご対応いただいたことに感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。
メールの場合は、できるだけ24時間以内に返信すると印象が良く、今後また相談したいときもスムーズに関係を再開できます。
担当者との関係を残したい場合
今後、別の物件でお願いする可能性がある、あるいは地域で関係を保ちたいという場合は、次のように一言添えると好印象です。
「また機会がありましたら、ぜひご相談させてください。」
これだけで、「今回は縁がなかっただけ」という印象になります。不動産会社も“縁を切られた”と感じにくく、円満に終えることができます。
媒介契約をキャンセルしたい場合
査定の段階を過ぎ、すでに媒介契約(一般・専任・専属専任)を結んでいる場合、「やっぱり売るのをやめたい」「別の会社にお願いしたい」と思うこともあるでしょう。その際に気をつけたいのが、契約形態ごとのルールと解除方法です。
一般媒介契約の解除の仕方
一般媒介契約は、複数の不動産会社に同時依頼できる契約です。この契約の場合、売主の自由度が高く、いつでも解除が可能です。
たとえば、他社の方が対応が早かった、販売提案が良かったなどの理由であっても、電話やメールで「今回の販売は取りやめたい」と伝えれば問題ありません。違約金や手数料も発生しません。
「今回は一旦、販売を取りやめることにしました。ご対応ありがとうございました。」
この一言でOKです。
専任・専属専任も解除が可能、
専任媒介・専属専任媒介契約は、1社だけに販売を任せる契約です。
とはいえ、「内容証明郵便で送らなければならない」といった厳密な手続きは不要で、電話・メール・FAX・書面などでも有効です。
また、不動産会社も契約解除に応じないということはほぼありません。むしろ、気持ちよく取引を終わらせたいと考える会社が大半です。
契約期間満了を待つのが確実
専任・専属専任契約には「有効期間」があり、最長3ヶ月です。そのため、あと少しで満了になる場合は、無理に解除手続きをしなくても、期間終了後に他社へ依頼することもできます。
媒介契約書に「自動更新」条項はありません。自動更新条項があったとしても無効となります。それは宅建業法によるものですので安心してください。
費用負担が発生し得るポイント
売却活動が始まっていても、成約前ならキャンセル料は基本不要となりますので、まずは安心してください。
ただし媒介契約において、売主の費用が発生し得る可能性がある部分も把握しておくとよいと思います。
☑広告費や出張費など、売主了承のもと発生した実費
☑隠れて他社へ依頼して契約成立させた場合、媒介活動の費用
☑売主が直接買主と契約し、その旨を不動産会社に通知しなかった場合、不動産会社が動いてしまった経費
キャンセル時に注意したい費用・ペナルティ
査定や媒介契約の段階であれば、基本的にキャンセル料はかかりません。
ただし、不動産会社が実際に動いた内容や、売主の了承を得て発生した費用がある場合には、一部の実費を負担する可能性があります。
成約前ならキャンセル料は不要
不動産の仲介手数料は「成功報酬」です。
つまり、売買契約が成立してはじめて支払いが発生します。
そのため、査定を断る・媒介契約を解除する・販売を中止する、といった段階では、仲介手数料やキャンセル料が発生することはありません。
「媒介契約期間内だけど、他社に頼みたい」
→ いずれも原則、費用は不要。
広告費などの実費を求められる場合も
媒介契約後に不動産会社が売主の了承を得て行った活動には、実費が発生しているケースもあります。
たとえば以下のようなものです。
| 項目 | 内容例 |
|---|---|
| 広告費 | 折込チラシ、ポータルサイト掲載の有料プランなど |
| 測量費・調査費 | 確定測量や建物調査など、専門業者への依頼 |
| 解体・片付け | 解体業者・清掃業者に依頼した作業 |
| 書類作成・登記準備 | 売却前提で司法書士に依頼した登記関連業務 |
こうした費用は、媒介契約書や書面での合意内容をもとに請求されることがあります。
契約前に「売却前段階で費用が発生するか」を確認しておくと安心です。
契約後にキャンセルする場合の注意点
売買契約を結んだ後(=買主と契約した後)にキャンセルする場合は、仲介手数料と手付金の支払いが必要になる場合があります。
売主の都合で契約を解除する場合、「手付金の倍返し」や、手付解除期間以後は「損害賠償請求」といった形になるため、慎重な判断が必要です。
媒介契約の段階であれば問題ありませんが、売買契約書に署名・捺印した後は、簡単に取り消せない点を理解しておきましょう。
弊社ミューファは千葉県野田市で不動産仲介、建築、設計、土地測量等を営む会社です。
不動産の売却を検討中でしたら野田市で不動産売却・査定をご覧いただき、お問合せいただけますと幸いです。
